最近みたこと
「みる」ことを考える
旅先では感情が高ぶっているせいか、「みる」ことを考えず直感的に撮る。
普段の生活では逆に、考えながら「みる」こと論理的に撮る。
【あと…まだ…】
Date 2015.06
16:00 学校から息を切らして帰ってきた子供。
娘「4時半からスイミングスクールだけど友達と遊べるかな!?」
母「自分で支度して試してみなさい!」
16:20 外でまだ遊ぶ声がする。
娘「ちょっと待って!こっち来て!写真撮って!」
友達と楽しそう。写真を撮る。
16:24 私「あっ!あと6分だよ!スイミングスクール行かなくていいの!?」
娘「まだ6分ある!!」(被せ気味に 笑)
と言って友達と駆けて行った。
子供の言動に気付かされる。
自分も子供の頃は時間の許す限りやりたい事を精一杯楽しんだ。
いつの頃からか後先を考えて行動するようになる。
そうする事が良い悪いは別として、
自分も限られた時間の中をもっともっと精一杯に駆けなくちゃ!
「まだ6分ある!!」
【人が作る景色は】
Date 2015.04
都会から田舎へ行くと気持ちが落ち着く。
畑や小川、田んぼや畦道、林や桜。
でも、そんな景色も、先人が切り開き作った人工的景色である。
都会との違いは、自然と共存してきたという事だろう。
自然に逆らわず、恩恵に感謝し、人は少しだけ手助けする。
そんな生活が作った景色だからこそ感じる「温かみ」がそれなのだと思う。
ここは田舎の山奥(ほんとに奥)で活動する木彫家のアトリエから見る景色。
朝霧のなか、静かに降る春雨。
浮かび上がるコブシの純白の花。(右奥)
散り始めた淡い山桜。(左)
地に広がる落葉が苔の緑色を一層引き立てる。
落葉しきった中央のコナラの木は1ヶ月後には新緑と花を芽吹かすだろう。
この木、この景色からは、「静寂」と言うより、生きる「鼓動」を感じる。
まさに、そんな木彫家です。
人間が作る様々な物。彫刻も、建築も、家具も、料理も。
村も、町も、都市も、国も。
全ての物や事に、人格が現れています。現れてしまいます。
木彫家 上妻 利弘さんのアトリエ http://kozuma.free.fr/open.html
【集中力は美を際立たせる】
Date 2015.02
漆工芸家 三木 啓樂さん
伊勢型紙彫刻 那須 恵子さん
根付け職人 梶浦 明日香さん
靴職人 小関 貴一郎さん
「なんかいいですね。緊張感があっても緊迫感がある訳じゃないし。この空気感いいですねぇ」
先日の撮影現場に居合わせたひとが言っていた。
作る作業、ものが出来上がっていく行程は作り手にとって至福の時間であり、甘美漂う。
この時の「集中」とは製作物への「魅了」とか「心奪われる」などへ向けられた意識。まさに「夢中」である。
その職人が工房で漂わせる空気は和やかな場であっても、重々しい場であっても一様に感じられること。
私が撮ることでの「集中」で、別の空気を混ぜ込ませる。
その空気同士がうまく溶け合うと…。周りの人もそう感じている事がうれしいです。そして結果、長居してしまいますが(笑)
「自分なんかで絵になりますかねぇ?」とよく言われますが、ご自身では気付かないですよね。
何かに没頭する姿。その姿勢は自身の意識に関わらず見目形を一変させます。
※『集中力は美を際立たせる』これはある本から引用しました。ピンとくる方おられますでしょうか?
漫画も小説も、アニメも映画も、遊びも仕事も、たくさんの知識と、考える切っ掛けを与えてくれます。
そのすべての方々に感謝したいです。
【4:3 11/1 1/100 2/669】
Date 2014.10
世界を縦横比4 : 3で切り取って見るファインダー越しの世界。
極々稀に光の加減、構図、被写体(人物・風景)、その場の雰囲気などすべてが良い状態で重なる時がある。
自分の感情が高揚するのが分かる。
いつ場面が切り替わるのか分からない。この時間は限られている。 焦り。
「これは誰が撮っても美しく残せる。」と傍らに考えながらも、
それでも限りあるその場面が変わらない今に、自分なりの表現でシャッターをを切る。
初めて使ったカメラは連写が出来なかったが、今のは1秒間に11枚(そこまで使わないけど。)。
表情、動きの瞬間、その瞬間の陰影。完璧な構図なんて目でなんて捉えきることは不可能。
しかし、その1/100秒の瞬間はある。
相手からしてみれば「同じ写真をなぜ何枚も撮るのか?」と怪訝に思っているだろう。
フィルムの時代はこうはいかなかった。デジタルカメラになったからこそ、瞬間を捉える確率は上がった。
だからこそ、より「表現」が大切になる。
撮影するのに夢中になり。
669枚撮って似たようなカットから選別するのは一苦労。
現像するのは、まあ楽しい。
プリントしながら飲むのが一番の幸せ。
そして、相手が喜んでくれたら言うことなし! 山本合金製作所 鏡師 山本晃久さん
【見 < 魅】
Date 2014.07
カメラで撮ったものだけが「真実」ではないと思う。自分の眼で見る事で見えてくるものがきっとある。
自分の眼で見えたものだけが「真実」ではないと思う。眼に見えない中にもそれはある。
瞬間を切り取る写真でなければ伝えれない事。
眼では気付かない、見えない、追えない、捉えきれない。その1/60秒は名画のように素晴らしい。
表情・竹のしなやかさ・彼女の手が作り出す作品。写真はそれぞれの真実(美)を1枚に収める事が出来る。
その人、その物の魅力、その場の雰囲気を最大限に引き出し、「見せる」よりも「魅せる」ことを目指したい。
京竹籠 花こころ 小倉智恵美さん http://kyotakekago-hanakokoro.tumblr.com
【→ ○ ←】
Date 2014.05
民藝(民衆的工芸) 思想家の柳宗悦さんが作った造語である。 実用品・普通品・買いやすい値段である事など、身近な生活の道具に目を向け、 そこにこそ美があると説いた人。 以前紹介した上海市嘉定区は古い家が壊され、続々と新しい住宅が建てられている。 そんな取壊された場所を覗いてみると面白いものを見つけた。 竹細工のハエたたき。(たぶん) 恐らく昔使われていただろう。泥とゴミの中から引っ張りだした。 今は「職人」、「工芸」、「手作り」と価値のある特別な意味のある言葉だが、少し前まではそれが当たり前の生活があったのだ。 今ある工業製品。例えばプラスチックのハエたたきはどうだろう? それは生産性・コストなどを考え、時代の流れで必然的になった形。 どちらにもそれぞれの魅力がある。 二つの分岐。 それとその先。 両方の丁度真ん中に立ち、今を考える思考でモノ作りを進めたい。 ちょうど真ん中。 が、いちばんむずかしい。 | ||
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Date 2014.04
【 ↻賛歌 】
すべてに吹きわたる 春の畦道の花よ ささやかな春の息吹きをたたえなさい 命のよろこびに目覚めなさい 復活はいと小さなものにも訪れる 永遠に善なるものをたたえながら 失われるのは ただ形のみ つかのまあることを楽しみなさい 世代から世代へ おまえもまた創造することで 堂々とのぼりつめ つましい貢ぎものを捧げなさい 無限の時の流れに 小さくおずおずと 種(しゅ)は種を産んで でも力のかぎり息をなさい 世界は沈み 世界は昇る! 永遠のこの日 胸いっぱいに! 〜賛歌Ⅱ ビョルンスティエルネ・ビョルンソン〜
【カラーとモノクロームとシキ彩】
Date 2014.02
眼も感覚も順応し易い。 明るいところから暗いところに入っても、少したてばその暗さに慣れてくれたり。 眼も感覚も勘違いし易い。 明るいところから暗くなると色が無くなったわけではないのに、ついそう感じてしまったり。 色の有る世界に慣れてしまうと、本来の色自体への意識の減少、認識への曖昧さに繋がり、 色への鈍感さが出てくるような気がする。 色に振り回されたり。 たまに見るモノクローム写真の陰影は微妙な階調の変化に気付かせてくれる。 雪景色もまた1年間の色に慣れた眼をリセットして、色の敏感さに改めて向かい合い、色の豊かさを再確認出来る良い機会。 そして2ヶ月後には淡色の春色から始まる色彩のサイクルへ。四季ってなんて合理的! なんて、無理やりポジティブに考えながら、びちゃびちゃの雪道を。足元だけ見て。転けないように。 新潟県西蒲原郡弥彦村 彌彦神社
【想像⇆創造】
Date 2013.11
先日、様々な分野のモノ作りの現場を見てきた。 クリエイターは想像から創造し、その創造物から想像していく。 自然はその核なるもの。 秋の風景もまた人のソウゾウを掻き立ててくれる。
【城】
Date 2013.08
中国では「新城」という言葉がよく使われる。 つまり、「新しく建設された近代的な都市」という意味である。 その一方で、「空城」という言葉もあり、「マンション・施設は完成しているが人間が殆ど住んでいない」ということである。
【相対的に感じること】
Date 2013.08
哲学者ヘラクライストは「世界は対立だらけ」と言った。 つまり、昔があるから今があるということ。 我々はいつも相対的に感じ、考えているということだ。 木が生い茂った中に小さな川があり、そこに古い橋が架っていた。後ろに見える建設中のマンションとが対照的な風景に見える。
【隔世の感】
Date 2013.08
1842年アヘン戦争終結後、上海は租界(外国人居留地)が設けられ租界時代が始まり、約100年間で外資導入による経済発展の土台を築く事になります。そして1980年代以降高度成長が続く。 上海の人口は、ここ10年間平均で約66万人増え続けており、その中には多くの出稼ぎ労働者が各地から来ている。また、一人っ子政策のため少子化、高齢化といった問題も抱えている。 経済発展に伴って人口動態が急変しているのが現状です。 ここ数年で地下鉄も上海郊外まで開通し、マンション建設が各地に見られ、田園風景が広がる中にもそれが見て取れる。
【写真を撮ること】
Date 2013.06
16世紀ピンホールカメラの様な原理でカメラの元となる発明がされる。19世紀前半、画像を紙に定着させると言う発明がなされ、その後のカメラは写真とともに発展していきます。19世紀末にはフィルムが普及しカメラが大衆化していき、技術を要した撮影も20世紀末にはシャッターを押すだけで写真が撮れるのが当たり前となって行きました。21世紀に入りデジタルカメラが一般化するとフィルムカメラも段々と減っていき、今では携帯電話でも綺麗な写真が簡単に。 平日の夕暮れ時、家電量販店に並べられたプリントマシン。フィルムカメラで育って来たであろう3方が馴れないプリンターを覗き込んで、楽しそうに笑いながらプリントしていた。