九十九の作り手  日本各地

 日本には古くから、付喪神(つくもかみ)という信仰がある。

長い年月を経て古くなった物に、神や霊魂などが宿るという観念で、

その物の扱い方により、宿る神は善にも悪にも振れるとされてきた。

つまり、人々は物に対してその物以上の尊敬の念があったのだろう。

物自体に意思が生まれるという観念は他にはなく、日本固有のものだ。

その観念は、古来より外から伝えられてきた技術を

独自に築き上げてきた「作り手」から生まれたのではないだろうか?

多くの製品が海外で生産されることを余儀なくされている昨今、

今でも尚、先代を継ぐ彼等、九十九の「意思」とその「意味」を今一度見直してみる。

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五十八・五

〜陶芸家〜 『静中動あり、動中静あり』(中国の古典「菜根譚」)能や武道にも通じている思想。これは釉薬に漬ける作業です。使うのは左手。液体の入ったバケツに碗を潜らす。すぐに上げた手は空中で数秒の静止。その数秒は、均一になるよう余分な釉薬を垂らしている。その数秒は、目と耳で判断し思考は次の品へ。 「静中動あり、動中静あり」。 職人の世界にも通じるものがあるのだと感じます。 陶芸家/クラフトデザイナー 長谷川武雄さん 長崎県諫早市 http://www.hasegawa-craft.jp/index.html/ Date.2015.09.05