九十九の作り手  日本各地

 日本には古くから、付喪神(つくもかみ)という信仰がある。

長い年月を経て古くなった物に、神や霊魂などが宿るという観念で、

その物の扱い方により、宿る神は善にも悪にも振れるとされてきた。

つまり、人々は物に対してその物以上の尊敬の念があったのだろう。

物自体に意思が生まれるという観念は他にはなく、日本固有のものだ。

その観念は、古来より外から伝えられてきた技術を

独自に築き上げてきた「作り手」から生まれたのではないだろうか?

多くの製品が海外で生産されることを余儀なくされている昨今、

今でも尚、先代を継ぐ彼等、九十九の「意思」とその「意味」を今一度見直してみる。

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五十六・五

〜金箔押師〜 職人が物と向き合う時間。 仕事に入る彼の意識には、既に私の存在は排除され、目は全体を見ながら細部に集中。 独自の律動。 躰、手がそれに合わせ的確に運ばれる。 ファインダー越しに彼の手は既に無い。 速い。 彼の目を追いながら手を予測する。 気付くと彼は筆を置き、「こんなもんですかね^^」と一言。 いつもの彼がいた。 その空気のあまりにも大きな違いに驚かされ、目を奪われた貴重な体験。  金箔押師 藤澤 典史さん  京都府京都市  Date.2015.05.28